B社様:ステンレス容器の補修頻度低減策の提示
B社様は、各種化学製品を製造している化学メーカー様です。
抱えていた課題・ニーズ
B社様は、自社製のステンレスタンクを工場内に多く保有されています。定期点検の際に、あるステンレスタンクの内面に微小なクラックが発見されました。微小なクラックの発生は内容物の漏洩
につながる可能性があり、入念な非破壊検査とその後の補修を実施されました。これは操業度へ悪影響を与え、大きな人的負荷をかける必要がありました。
そこで、当社に上記の微小クラックの発生原因調査と対策の検討をご依頼いただきました。
ご提案したコンサルティング内容
B社様の工場に赴き、対象のタンクの設置環境、使用状況等をお聞かせいただきました。また非破壊検査記録も確認させていただき、微小クラック発生部のサンプルのご提供をいただきました。
当社での調査の結果、微小クラックはタンク内面の溶接部近傍の腐食に起因したものであることがわかりました。さらなる詳細分析の結果、溶接部近傍の粗粒組織の粒界割れを確認することができ
ました。そこで、腐食抑制、粗粒組織の発生抑制の観点から、以下の3点の具体的な対策を提案いたしました。
<対策> ➀採用溶接材料およびステンレス鋼の見直しによる腐食抑制
➁粗粒組織発生抑制のための溶接条件(開先形状、電流、電圧)の見直し
➂溶接事後処理(ショットピーニング、溶接後熱処理等)による粗粒組織の微細化
成果や結果
対策後S社様では微小クラック発生頻度が激減し、安定操業を実現することができました。